音楽中学校を受験する生徒に関して私が想像していたのは、コンクールの常連で毎日が音楽漬けの生徒像だった。
しかし実際に受験をしてみると、そうでもなかった。それなりに弾ける子たちであるが、そこまでコンクール熱に侵されている子供たちばかりではない。
確かに、コンクールに出てるにしたって、大学生相手のレベルならともかく、同年代の中で競ったところで、演奏家としては途中の状態なので、コンクール命であっても、そうでなくても、いずれにしても今後も練習をし続けなければいけない。
逆に言うと中途半端な状態で競うなら、その時間を練習に充ててさらなる高みを目指した方がいいということもあるだろう。
その匙加減はなかなか難しいし、良い結果ならやる気になるが、悪い結果なら、やる気がなくなる人もいて当然だろう。そういう意味では、中途半端な出場が一番だめだという考えもありかもしれない。
ただ、入学してからは、実技の結果も数値化された結果が突き付けられるはずで、そういう意味では、入ってからがコンクールよりもきついのかもしれない。