ピアニストとしての芸術性をどうやって手に入れるのか?

小学生や中学生のピアノ演奏であれば、上手であれば評価をされますし、難易度の高いとされる曲で大人顔負けの演奏をすれば、ある程度の評価は簡単にされると思います。

けれど、それが、できたからといって、その後もピアニストとして生きれるかというと、そうではないという、現状があると私は感じています。

今日も練習、明日も練習、その次も毎日毎日ピアノの練習をすることで、ピアノを練習している人の上位5%以内くらいには入れる気がします。けど、そこから先は、練習だけではないのではないか?

もちろん、その5%に入るのは簡単ではありません。けれど、そこから先もやはり厳しいのです。

先日、音大付属中のピアノの先生が、手術をされるということで、一週間ほど入院をされていたのですが、時間が少しあったのか、メールをいただきました。その内容は・・・

〇×くんが、最近、疲れ切っている様子で、少し心配です。勉強とピアノの両立が難しいのか、いつもレッスンに疲れている様子で、担任の先生ともお話をしました。私も課題を出しすぎることもあったかもしれませんが、〇×くんの個性が、失われてしまうような気がして、心配しています。

良い音楽を作るためには、練習だけではなく、いろんな経験を通じて、表現する力を学ぶことも必要ですので、時には練習を休んで、楽な気持ちで、学んでいってもらいたいと思っています。

— 以上 —

表現は、変えていますが、上記のような内容のメールで、私達や周りが、期待しすぎて、疲れているような内容なメールをいただけました。もちろん、ピアノの先生が一番気にかけているからこそ、病院から入院中に連絡をいただけているのだとは思いますが、少し驚きました。

私も、もっと練習しないのか?勉強ばかりしていて、ピアノの練習をしないのかと、言うことはあります。けれど、子供というのは、親の言うことはあまり聞かないので、だからといって、練習を始めるということはありません。

けれど、どこかで、無理をしていたのかもしれません。ただでさえ、小学校から中学校へと生活が変わり、徒歩での通学から、満員電車での通学へと変わり、大変なのに、さらには、勉強とレッスンで、大忙しのはずなのですから、疲れるでしょう。中学一年生というタイミングなので、疲れてしまったというのは当然あるかと思います。

でも、そのような忙しさや厳しさの中で、感じることも当然あると私はあると思います。先生が気をかけてくれることもそうだし、私達とのかかわりもそう、練習をするか、しないか、今日出かけて体験したこと、学校の友達とのかかわりのなかで、感じること、すべて感じたことが、音楽性へつながっていくはずなのです。

嫌なこと、辛いことも当然、音楽につながるでしょう。

かつての偉大な作曲家たちは、国を戦争で追われたり、祖国が無くなったり、そのような中で生きていたのですから、幸せが必ずしも、良い音楽を生むわけではないと感じます。

練習をしないことは、結局は、テクニックが伸びないことに繋がりますが、音楽性、芸術性を支えるにはテクニックが必要です。一方、音楽性や芸術性を生むには、人生経験が必要です。

そのようなバランスの中で、本人が頑張ることしかないので、今回いただいたメールで感じたことは、子供が、先生にも愛されていることでした。

私の人生で、そのような特別なことは、なかった気がします。それだけ、子供に才能というか、光るものがあるんだということに、改めて気づきましたが、だからといって、練習しなければ、何にもならないのですから、本当に難しいところです。

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