コンクールの結果は、演奏家になれるかの必要十分条件ではない

今回は、コンクールについて考えていることを書いてみようと思いました。

コンクールの入賞有無によって、そのピアニストがすばらしいかどうかを判断するのは、それなりの指標とはなると思います。ですが、そのようなコンクール入賞暦のある方の演奏を、コンクールの結果で聴判断できるかというと、私はそうではないと思っています。というかむしろ、コンクールの結果では判断できないと私は思っています。

というのも、ショパンコンクール入賞経験のある、とある有名なピアニストの演奏を期待して聴きに言ったときのことです、ミスが多く、これは聞けたものじゃないと、思った経験があるからです。

コンクールや録音の音楽は、前もって準備したり、間違ったら撮りなおしたりすることができますが、実際のリサイタルとなると、一発勝負となりますし、複数の楽曲を同時に演奏することになるので、コンクールの結果とは違ったものになっている気がします。

どんなにコンクールですばらしい結果を出せていたとしても、所詮は課題曲数曲だけの結果でしかない。

そう考えています。

演奏家として成功するかは、複数の楽曲に対して敬意を払い、常に高い演奏品質を保って提供できるかにかかっており、それをコンクールでは、はかることができないんだと思っています。

なので、コンクールで上位だから、そのピアニストの方が実力があるということは、いえず、コンクールは単純にその時の結果でしかないんだと思います。つまりは、コンクールも通過点でしかなく、その後にこそ、どうするかにかかってくるものだと思っています。

コンクールで良い結果を出したあとの、最初のリサイタル、演奏会などで、聴衆を魅了する音楽を無事に提供できたのか。

演奏家として、成功するか否かはそこにかかってくると思います。コンクールはゴールではなく、その後こそが大事なんだと思います。

コンクールで全国一位を獲得するとその瞬間一気に注目を浴びることになるでしょうが、実際には、それは宣伝程度の効果しか持たず、むしろ、その後、失敗したら取り戻せないくらいの緊張があってしかるべきかと思います。

子供が、ピアニストになるというのであれば、その点をしっかりと理解させ、それでも演奏家として仕事にしたいかどうかを判断させる必要があると思います。

コンクールで優勝して、一番になりたいという目標では、ピアニストにはなれないことは、確実だと私は思います。

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