ピアニストを目指さなくとも、ピアノ演奏を上手になりたいと思って練習してくると必ず出てくる壁があります。
それは、タイトルにも書いた通り、手の大きさの壁です。
日本でピアノの先生というと男性というよりも女性が多いことから、手の大きさは関係ない、工夫・やりようがあると言われますが、指の使い方や生活習慣による筋肉の発達の違い、そして手の大きさが違うことで、トリル等のフォームが影響を受け、音色やリズムに差が出てしまったりするというのを、聞いていますし、それを私も感じています。
手の大きさは関係ない、関係がないことにしたい願望・希望はあるが、実際、手の大きさというのは、ピアノを演奏する上で、切り離すことのできない差が生まれる、壁が生まれる場所だと私は感じています。
世界で一番手の大きかったピアニストは誰かという話で、あのラフマニノフ氏だという答えを聞くことが多いのですが、重厚感あるあの「交響曲第2番」は壮大で、作曲家みずからがピアノ演奏ができたからこそ、音楽表現の可能性も見えるものかもしれず、作曲にまで手の大きさが関係するのかもしれないというのを、これを聞いた時、私は感じてしまいました。
そんなピアノと手の大きさに関して、これまでに気づいたことや気になったトピックを今回は書いておこうと思います。
ㇾ 子供の頃は手の大きさがわからない問題
ㇾ 音の表現力は手が大きい方が豊かになる可能性がある
ㇾ 演奏に余裕があれば、成功率も高くなる
ㇾ 手の器用さが仇になる箸文化
ㇾ 手に合わせピアノの鍵盤の幅を変えることができるのか
子供の頃は手の大きさがわからない問題
手の大きさは基本的には、男性か女性かでおおよその平均サイズが決まり、その後で、両親の手の大きさが目安となり、さらに父親と母親のどちらの遺伝が採用されたのかで、決まると私は理解しています。
ヨーロッパ音楽の歴史をみても、クラシック音楽のエリートは、手がとても小さな幼少のころからスタートするため、大人になったときの手の大きさについては、わからないうちからスタートすることになります。
小さいころからピアノをよく練習し、同じ年代のピアノ練習者間の中では、練習量に応じて上手な弾き手に育っていくことはできますが、周囲が成長するについてれ、手の大きさの影響が出てくるようになることがあると認識しています。
なので、手が大きくなるかどうかは、運に天に任せた状態でレッスンを受けることになります。
音の表現力は手が大きい方が豊かになる可能性がある
手が大きいことで優位に立てることはたくさんありますが、音の表現に関しても手が大きい方が有利であることは間違いありません。
ピアノの音を最小にする際には、手が大きくても、手が小さくても可能です。しかし、ピアノの音を最大の力で出すといった場合には、手の大きさが大きい人にはかないません。
また、体が大きい人やそもそも体重が重い人の方が、鍵盤に乗せる力が強いのは当然です。
小さな音については、誰もが努力でコントロールすることができるが、最大の音量は、てこの原理や体重、骨格により、努力ではどうにかならない部分があるのは間違いないと思います。
演奏に余裕があれば、成功率も高くなる
ピアノの演奏は、暗譜という記憶力勝負とピアノをうまく弾くためのテクニック。そして、正確に弾くための心のコントロールが、最後は大事になってきます。
焦ったりすれば、心の揺らぎが、演奏に出てしまいます。
10回に1回しか成功しない、難しいパッセージがあったとして、その部分の成功率を5回に引き上げるなんてことを、努力でピアニストは補おうとするのですが、その成功率の低さの原因が手の大きさであった場合は、手の大きい人にはかなわない可能性が高いです。
ピアノ演奏には、正確さが求められます。正確に弾くためには平常心が必要です。いつも弾けないあの部分、難しいあの部分。
そんなことが頭によぎるだけで、演奏に影響が出るのは間違いありません。
自分が間違わないことを確信するために、練習を繰り返し自信をつけるために、
手の器用さが仇になる箸文化
箸を使うアジア、フォーク・ナイフ・スプーンのヨーロッパ。
食文化がピアノにどんな影響が!?と思われる方もいると思いますが、この指摘は私がしたものではなく、一般的に既に言われていることです。
食事の道具は、嫌でも毎日使うものですから、その道具に対応した、脳の使い方と筋肉は当たり前のように発達します。
手を丸めて使う箸と、手を広げたままのフォークナイフとでは、手の成長に大きな影響がでます。
ピアノという楽器は、手を丸めることよりも、手を広げたまま打鍵することが多いため、食文化としては、アジアの箸よりも、ヨーロッパのフォーク・ナイフ文化の方が、適すると、いろいろなところで、指摘が入っています。
私自身は、それについて、そこまで影響あるかな(?)と思っていたのですが、ピアノの先生など、トリルなどの時に、普段から広げっぱなし文化のあるヨーロッパの方が、手が無駄に曲がることがないので、よいと言われまして、そこで、確かになと思いました。
曲がりやすい手の甲が、ピアニストに不向きというのを、実感した瞬間でした。
なので気にされる方は、フォークナイフの生活を子供の頃からさせるのがいいかもしれません。
手に合わせピアノの鍵盤の幅を変えることができるのか
最後に以前から私が考えていた話、ピアノの鍵盤の幅を変えてしまうということを書いてしまいたいと思います。
手が小さくて、手の大きな人に負けてしまうというのであれば、いっそのこと手の大きさに合わせてピアノの鍵盤のサイズを変えて作ってしまえばいいのではないか。
そう考えるのも普通ですよね。
しかし、それができるのは、プロだけのようです。慣習的にそれは無理となります。
ピアノのコンクールで使われるピアノは、出演者が用意するものではなく、コンクールの主催者側が用意することが当たり前のようになっています。
コンクール用のピアノを出演者が用意してもいいというように変わっていけば、鍵盤を演奏者の手の大きさに合わせることが可能となりますが、現時点では不可能な状況になっています。
各個人が、ピアノを搬入して、コンクールをやるなんて、想像できませんから、やはり無理な気がします。
手の大きさは関係が「ある」が頑張るしかない
手の大きさについて、今回は取り上げました。
私は手が小さいので諦めるしかない・・・と思ってしまうような記事ですが、日本人が世界で通用する例もありますし、アジア人がショパンコンクールでTOPをとることもあるので、やはり本気なら、手の大きさが関係あっても頑張るしかないように感じます。
ピアニストを目指す方は、レベル関係なく、たくさんいるのが、いつの時代もなので、狭き門ではありますが、それにしても最近は、なりて少なくなっている気もします。
ピアノの潮流は、やはり歴史的にヨーロッパです。
- ベートーベン→チェルニーの系統
- フランスの系統
- ロシアの系統
という師弟関係があるように、アジアがスタートのものではありません。
それでも、その流れを引き継ぐ覚悟があるのなら、手の大きさなんていうのは、関係がないでしょう。
世界のトップブランドの一つとなり、ビジネスとしてヤマハが成功したように、努力は、別の形で花をひらかせることも可能でしょう。

