調律が必要なピアノの種類
ピアノの種類とともに調律が必要なピアノ、必要でないピアノをリスト化しておきます。とても簡単に説明すると、調律が必要なピアノというのは、本格的なピアノのことです。見分け方は簡単で、電源ケーブルを使い電気を使っている電子ピアノは調律が不要で、木と鉄だけでできた昔ながらのピアノは調律が必要です。
電子ピアノ | 不要 |
エレクトーン | 不要 |
アップライトピアノ | 必要 |
グランドピアノ | 必要 |
調律とは何か
ピアノという楽器は弦をハンマーでたたき振動を発生させ音を出す仕組みでできています。その弦の振動は、弦を引っ張っぱる力の強さや、弦の長さをコントロールすることで、音の高さをコントロールしているのですが、金属のねじやそれを支える木材が、そのコントロールを支える重要なパーツとなっています。
その調整をするのが調律です。ドレミファソラシドの音階が、ずれた時に正しい音階にする調律が必要というわけです。
なぜ調律は定期的に行う必要があるのか
ドレミファソラシドの音階を合わせてしまえば、もう二度と調律はしなくていいと思う人もいるかもしれません。しかし、実際には調律や整音というのは、毎年必要になってきます。
なぜか?
それは、前の文章でも書いておりますとおり、金属のねじやそれを支える木材というところが原因になります。木材、つまり木は水分を含むことで膨張し、乾燥することで収縮します。
お子さんでもわかる表現をつかうと、木がおおきくなったり、ちいさくなったりするのです。そうなると一見硬く締めてあるネジも、木材の収縮の影響を受けて、緩んでしまうのです。
また、ピアノの演奏者が毎日365日ピアノを弾くことで、毎日弦が振動します。そういった振動でも、ネジというのは、緩むことになりますので、定期的な調律がやはり必要となります。
1年経っても、音はずれていない、ドレミファソラシドで鳴るなら、調律は不要?
1年経っても、音階はずれていないから調律は不要だと考えられる方もいるとは思います。それはあながち、間違いではありません。
しかし、音階はOKでも、連打がしにくい状態になっていたり、ペダルに不具合があったり、音色ではないところでの痛みが出たり、ピアノが木製+金属製品であるがゆえのメンテナンスが必要なのが事実です。
最近は、中古でピアノを手に入れる方も多くなっていますが、やはり中古の場合は、パーツの経年劣化や摩耗で不具合を起こしている場所がでてくるので、信頼できる調律師さんに見てもらうというのは、必要だと思います。
調律師というのは職業なのか?
調律師という職業が成立している国は、実は多くありません。ギターやバイオリンのような楽器は、自分で楽器の調律をすることはあたりまえですから、国によっては、ピアノの調律も自分でやるという場所もあります。
日本では、調律師という業が職業として存在していますが、これはどの国でもあたりまえのことではありません。調律師さんにピアノの調律をお願いできるということは、とてもありがたいことなのではないかと思います。
電子ピアノやエレクトーンなども調律じゃなくてもメンテナンスは必要なのでは?
ピアノに調律があるなら、なぜ電子ピアノやエレクトーンはメンテナンスが必要ないといえるのかについてですが、これはなかなかややこしい現実があると思います。経済的なお金の問題が絡んでくるからです。
電子ピアノは、電気を入れることで、録音された音を流す仕組みなので、音が狂うことはありません。しかし、電子楽器といえども、機械ですから、同じように、ネジやパーツの劣化、故障は起こりえますので、メンテナンスはまったく必要ないとは言えません。
ただ、電子ピアノやエレクトーンなどは、数万円~10万円の安い価格帯からあります。壊れてしまったら買い替えた方が安上がりと考えるのが普通です。