Hyperledgerとは何か?
カタカナ:ハイパーレジャー
和訳
Hyper:ハイパー
Ledger:元帳
デロイト(Deloitte)によるとブロックチェーンが今後進展・普及していくための課題として、
⑴トランザクション速度
⑵相互運用性
⑶ブロックチェーン構築の複雑さと高いコスト
⑷規制環境
⑸コンソーシアムによる連携ネットワークの形成の5つが挙げられます。https://t.co/Vij2dr573g
— Ethereum Japan (@ETH_Japan) October 2, 2018
ブロックチェーンに関するDeloitteの論文のツィートを読む中ででてきたワード「Hyperledger」について、調べてみました。
真っ先に感じたのは、仮想通貨?ですが、仮想通貨ではありません。会社でも、ありません。ブロックチェーンでもありませんでした。
では、何か?
クロスインダストリー、つまり業界間のブロックチェーンテクノロジを推進するための共同作業で、その結果、共通で使えるフレームワークを提供するような組織のようです。
ブロックチェーンを既存のビジネスに活かすための取り組みと言えるでしょう。
The Linux Foundationが主催するグローバルなコラボレーションでもある
業界をまたぐ共同作業ですから、業界間をまたげる存在が必要というのは、わかる気がします。財務、銀行、インターネット、サプライチェーン、製造、テクノロジー、これらをまたげる共通キーワードとなると、IT技術、そしてオープンソースであるLinuxということなのでしょう。
特定の通貨をサポートするものではない
ビットコインやそれ以外の仮想通貨をサポートはしていません。そのような使われ方をするのではなく、業界間をまたぐ際に起きる、不正や改竄を起こさせないための、ブロックチェーンの有効活用といった感じでしょうか。
わかりやすい例でいれば、共有で使えるフレームワークの提供となります。
仮想通貨の革命の要である、データの改竄防止技術、ブロックチェーンを使って、正しい記録を取り、公開することは、ビジネスの信頼性、アカウンタビリティ、透明性を保ことになります。
データをチェーンで蓄積することの価値
例えばレストラン、回転寿司などで提供される料理。地中海風サラダとか、寿司エビなど、誰がどこで仕入れた食材で、正しい食材の名称は何で、どんな流通経路で、どんな状況温度で運ばれ、ここに至るのか、本当はデータとしてあるはずのものですが、現時点では、最終結果となる料理しか、私たちは目にすることはありません。
これらの情報はあまり重要ではなく、必要ではないとも言えますが、例えば、食中毒の問題が起こった時に何が原因だったかを調べる際には、これらのデータが必要になります。ブロックチェーンによるトランザクションデータの蓄積は、即座の解析を可能としてくれるかもしれません。
医療分野においても、特定の病気にかかる人の傾向を調べたら、何を多く食べている人が多いという仮説があっても、それをこれまでは簡単に証明することができませんでした。しかし、ブロックチェーンによるデータの蓄積があれば、それを証明するための分析が可能となる可能性があります。
参画する既存企業
Airbus、Daimler、IBM、富士通、SAP、Huawei、Nokia、Intel、Samusung、DeutscheBörse、American Express、JP Morgan、BBVA、BNP Paribas、Well Fargoなどの金融機関Blockstream、Netki、Lykke、Factom、bloqなどBlockchainのスタートアップとしてConsensys。
既に既存ビジネスの長達が参画している取り組みであることがわかります。
Hyperledgerは、ツール群である

ハイパーレジャーのホームページに行くと、ハイパーレジャーグリーンハウスという用語が、使われているようにHyperledgerは、そのハウスないで、既に多くのフレームワークやツールが開発されています。
Hyperledger Burrow:
このプロジェクトは、Ethereumの仕様に沿って許容されるスマート契約機械を開発します。
Hyperledger Fabric:
このプロジェクトはIBMによってリードされています。Fabricはプラグインであり、フレキシブルな権限を持つ高スケーリングブロックチェーンアプリケーションを開発する基盤として設計されたブロックチェーンテクノロジの実装を果たしています。
Hyperbelger Iroha:
Irohaは、ブロックチェーンのフレームワークを簡単に組み込むための日本企業のプロジェクトです
Hyperledger Sawtooth:
これはIntelによって開発されたモジュラブロックチェーンスイートで、Proof of Elapsed Time(PoeT)という新しいコンセンサスアルゴリズムを使用しています。
これらは、ハイパーレジャーという取り組みから生まれたツール群となりますが、既にこれだけの数の取り組みが進んでいるということは、確実にブロックチェーンが業界に浸透してくることは、間違いない気がします。
まとめ
調べていくうちに、ハイパーレジャーは、既存の企業が多数参加するとんでもなく壮大なブロックチェーンの活用の取り組みであることが見えてきました。
通貨としての機能は持たないということが、宣言されることで、シンプルにブロックチェーンの活用に集中している取り組みと言えます。
仮想通貨の発行団体が、データの保持機能を盛り込み何らかのソリューションをするという百花繚乱の仮想通貨とは切り離され、ビジネスで使えるブロックチェーンを活用しようとしているアプローチは、特質すべきものかと思います。
確かに、仮想通貨と既存の業務データの統合は、数年といったレベルで到底できるとは思えません。このような整理が進む中で、仮想通貨とビジネスが融合していく未来が見えてきたような気がします。