日曜日の朝だというのに、先ほど朝5時前に目が覚めました。なぜこの時間に目が覚めてしまうかというと、私が長年働いたコンサルティング会社というブラック企業での辛い仕事の日々の悪夢を見たからです。既に退職して1年以上経つのですが、今もその時の悲惨な思い出がよみがえってしまうのです。どんな夢だったのか、なぜ、いまもその記憶が私を痛めつけているかを書いておこうと思います。
目次
- 期限がおかしい仕事のスタイル
- 金曜夕方18時に深夜作業の打ち合わせに呼ばれる
- 普通の人間が普通に仕事して30分かかる仕事を一瞬で終わると言う
- 自分の仕事を頑張って片付けると次の仕事が与えられ早く帰れることがない
- 何をやっても理由を聞かれ、その理由が無難でも面白くないと言われる
- 一度仕事ができないとレッテルを張られると二度と昇進できなくなる
- 今日も悪夢で目覚める
期限がおかしい仕事のスタイル
私が15年程働いていたコンサルティング会社というのは、とんでもない仕事のスタイルの場所でした。エピソードをいくつか書いておきたいとおもいます。
私がコンサルティング会社で、働き始めの当初は、裁量労働制がとられていました。そして仕事が依頼されました。
裁量労働制の何がやばいかというと、どんなに時間がかかる仕事を渡されたとしてもお前の能力が低いからだと言えば、反論できないからです。
2日の仕事を1日でこなせと命令され、2日でなく1日できないということは、普通ですし、やはり2日の仕事を1日でやる能力はないのです。
普通の人が2日でやる仕事を1日でやれと言った上司は、私に2日の仕事を1日でやる能力がないといっているのです。普通のことですが、そうやって人を使ってきます。
一応、事実を言っているのですから、反論できません。
また、働き始めの新人の私にこれを言うのですからたちが悪いです。
管理職になるころには、なんでそんなことが起きていたのかがわかりました。
トップが5日かかる仕事を3日の工数で見積もれってことを平気で要求してくるのです。そして、どの管理職もそのルールに従わざるを得ません。
そして、仕事がブラック化していきます。
金曜夕方18時に深夜作業の打ち合わせに呼ばれる
今日は仕事を早く切り上げて、飲み会に参加するぞーと頑張る金曜日。そんな金曜日のことでしたが、夕方に「ちょっと、打合せするから、集まって」と、笑顔で言われて、会議室にいくと。
「今夜の深夜の作業についてだけど、君何やりたい?」
って言われました。「今日飲み会なんですけどー」というと
「君は、みんながこれから頑張って仕事するというのに、一人だけ遊びに行こうとか言うのかい?冷たいなぁ」
なんて言われるのです。朝に相談されるならわかります。しかし、18時過ぎの打合せではじめて言われるのです。
さらに、その時の私は、裁量労働制。22時までは残業代がでません。
その日、解放されたのは、翌日の朝3時だったのです。
そもそも18時に、帰るという選択肢のない仕事の依頼が飛んでくるのが、あり得ないし、裁量労働制なんてなくただの無償労働制にしか思えませんでした。
普通の人間が普通に仕事して30分かかる仕事を一瞬で終わると言う
一瞬ってどのくらいの時間なんですかね?
ちょっと調べてみます。
いっしゅん【一瞬】
一回またたきする間。きわめてわずかの間。一瞬間。
30分って一瞬なんでしょうか?
私のいた会社は、30分くらいかかる仕事を一瞬で終わると言ってました。帰り際に、よく言われたのが、
「ごめん、一瞬で終わるから、この仕事だけ終わらせてから帰って」
というフレーズ。実際30分で言われた通りの仕事を終わらせて、帰ろうとすると、ごめん、ここもうちょっとだからと別の指示、そして1時間がすぎ2時間後に帰宅。
こんなことが日常的でした。
18時に帰ろうと思ったのに、20時半を過ぎている。そして、裁量労働制でした。
18時に帰っても20時30分に帰っても給料が同じなのです。
おまけに、同じ苦しみを味わった同期も、出世して自分が管理職になるころには、メンバーに対して、同じことをしていました。
私は、まったくもって理不尽なこの汚いやり方が嫌で反発したため、管理職から降ろされました。ブラック企業、ブラック体質、ブラック社員の増殖場でした。
唯一の救いは、裁量労働が途中からなくなって、管理職以外には残業がでることでしょうか。しかし、実態として、外部協力会社の方々にはそれが適用されませんが、同じようなことをやっていました。
自分の仕事を頑張って片付けると次の仕事が与えられ早く帰れることがない
コンサルティング会社はプロジェクトワークであり、タスクが細分化され、WBSというタスクとスケジュールが定められた計画表で仕事が進んでいきます。
おのずとスケジュール上の自分の仕事が決まります。
5日の工数の仕事が3日で割り振られるため、誰も余裕で仕事ができませんが、私は自宅でやりたいことがあるため、3日でおわるように努力しました。
自分に割り振られた仕事が、遅延なく進むように努力するのです。
そして、見事3日で終了させていました。
すると
「優秀だね!!優秀な君なら、これも2日でできるから、この仕事も頼むよ!」
と、帰る直前に依頼されるのです。何度も書きますが、これが裁量労働制ですよ。
頑張れば頑張るほど、苦しくなっていく。それが、私が知っているコンサルティング会社の仕事のやり方です。
何をやっても理由を聞かれ、その理由が無難でも面白くないと言われる
私はお客さんに資料を作って、提案をする立場になりました。
コンサルティング会社は、なぜをいたるところで求められます。
資料を3日で作ると言うとなぜ?
資料の中で、こういう結論があると書くと、なぜ?
その理由が、こうであると説明しても、なぜ?
何をやっても、なぜ?と聞かれます。もちろん上司に納得いただける回答をすれば理解してもらえますが、無難だと、面白くない意見だなあと笑われます。
なぜ?が多すぎて、それが、夢にまででてきます。
- なぜ、生きてるのか?
- なぜ、こんな会社で働いているのか?
- なんで、裁量労働制ってのがあるんだろうか?
なぜを問いたいのは、こちらなのに、こちらのなぜは、巧妙に誤魔化されることがほとんどでした
一度仕事ができないとレッテルを張られると二度と昇進できなくなる
コンサルティング会社は、無理を無理と言わず、どうにかやりますという人間が重宝される場所です。
5日の仕事を3日でやらされるし、自分が昇進したら、部下に5日の仕事を3日でやらせられる環境を作らなければいけません。上司がいったことは絶対で、それに反論するなら仕事ができないという烙印が押されます。
私は、反論し、仕事ができない人というレッテルを張られました。働き始めて10年以上経た後のことです。
それまでさんざん、君は優秀、使える、といって、働かされたのに、1回の反発で、すべてがなかったことになり、仕事ができない人=無理な仕事を押し付けられない人ということになり、昇進の道からはずされました。
会社というのは、残酷な場所だとつくづく思いました。
優秀=よく働く奴隷です。
嫌な場所は、早く抜け出た方がよかったと後悔しました。無理して頑張ってもよいことはありません。
今日も悪夢で目覚める
私の人生は、失敗したとは思っていません。
非常に過酷な環境で働き、精神はボロボロになりました。
今日も、悪夢で目覚めます。
けれど、だからこそ、世の不条理を、間違いを、とんでもない社会を理解できました。
今の私は、やろうと思えば、やれないことはほぼないと思っています。それはあの過酷な労働で、身につきました。
ただ、悪夢だけは、避けれません。
今日は、「君の品質では、うちの仕事は任せられない」という言葉で目が覚めました。
いつか、この悪夢がなくなり、安らぎの朝が迎えるようになることが、私の夢であり、そのために今日もがんばってきます!
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