昨年書いたコンクールの記事が人気のようなので、現時点で思っていることを書いてみたいと思います。
1、ミスタッチは気にするな
ミスは絶対になくせません。ミスをしたらどうしよう、、そんなの諦めてしまった方がいいです。ミスをなくすために、演奏に表現力を失ったらどんな演奏もつまらなくなります。つまらない演奏は、だれも聴きたくありません。守りに入った音楽は、つまらなくなります。
そんなつまらない演奏で、コンクールに勝つことにどんな意味があるんでしょうか。
2、礼に始まり、礼に尽くせ
音楽は演劇です。芸術です。強弱は始まりと終わりを意味します。ぶっきらぼうな挨拶が必要な演劇なのか、ていねいな挨拶が必要な場面なのか、そういうことを考えてピアノを弾かねばなりません。
審査員、親達、お客さん、ライバル、すべての聞いている聴衆に何を魅せたいのか、自分の演奏のどこを聴いてほしいのか、どう感じ取ってもらいたいかをきちんと表現しなければいけないのです。
そうなると必然的に、良いお辞儀、良いペダリング、良い始まりと終わり、良いタッチになっていきます。趣味ではなく、音楽をやることです。聞いてくれる人たちに真心の演奏をしていれば、通ずるのです。
3、苦手なところが少しでもあるなら、ゆっくりなスピードで最初からやり直し
ものすごくテンポの速い曲を練習するときに、いつも弾けてない場所があるとします。そうなったら、もう速く弾く練習はしても意味がありません。やめなくてはいけません。そのまま続けたら速く弾いてごまかす癖がついてしまいます。
良い演奏は、洗練された音の配置、静寂の配置、響きの配置が基本です。ゆっくりのスピードで、ごまかさない練習をしなおさなければなりません。ほとんどのパートがOKだったとしても、10%のいい加減な演奏が、すべてを台無しにします。
全部をやり直してください。きっとほかにもいい加減にしている場所があるはずです。
4、時代やオーケストラの演奏に徹する
上の1~3ができれば、あとは時代背景をきちんと理解して演奏したり、オーケストラとして弾いてるかのごとく、楽曲をよりよくしていけば、完璧です。
5、最後はあきらめる
そして、最後ですが、どんなに強い思いがあろうが、練習をやってきた過去には戻れません。当日までにどれだけのことをやってきたことを試されるのがコンクールです。そして、今日まで頑張ったことに自信を持てばいいのです。
もし、あれもやっておけばよかった、みんなうまい、自分は下手だと思い込んだりしたって、結果は変わりません。マイナスな気持ちで本番をやるくらいなら、堂々とどうなっても構わないと、何をきにすることなく、今日の演奏をやればいいんです。
結果なんて、それまでの成果と当日の調子で決まるんですから、ダメならダメとあきらめるしかないのです。
以上が私たち親子のルーティンですね。参考になれば幸いです。