グランドピアノを買わないといけない理由

河合楽器のおもちゃのピアノから始まった、わたしの息子のピアノおけいこですが、グランドピアノなんて、家の一室がピアノになってしまうから邪魔だから一生買うとか思うことは無いだろうなぁと思っていたわけですが、今は、いつグランドに切り替えないとダメになるか、今か今かと、考えている日々がありますので、そのことを書いておこうと思い記録します。

ピアノを弾いたことのない人間からしたら、電子ピアノもピアノでしょ!?って思うと思いますし、キーボードでもいいじゃんと思うんです。だって、私もそう思っていたんですから。ですが、今は、まったくもって、生ピアノじゃなきゃダメだということを、理解するに至っています。

じゃあどこがダメなのか?

アナログは無限であり、デジタルは有限なのである

今でこそスマホのカメラで、きれいに写真を撮ることができるのですが、一昔前は、デジタルカメラなんて、プロには使い物にならないという時代があったことを覚えていないでしょうか?絵の色をデジタル数で表す画素数があるわけですが、これがものすごく増えたことで、色のバリエーションが増えて、いつしか、デジカメがアナログと同等、あるいは加工のしやすさから、デジカメが今はあたりまえなわけですが、この進化が電子ピアノにはないのです。(ファミコン画質が、PS4までの間で劇的に変わっているような変化です。)

デジタルカメラは、今は21メガピクセル超とかいう色の変化をもっているからこその表現力をもつわけですが、電子ピアノはそのような進化をしていません。電子ピアノは、名器とよばれるスタンウェイなどの音を録音したものを、電子的に再生しているだけであり、その音を、大きくするか小さくするかという表現しか、基本的にはないと感じられます(※筆者は構造に詳しくないのですが、楽器の説明からはそのように受け取れます)

また、ペダルを使ったときの踏み込みの変化が電子ピアノでは再現されていないと感じますし、木工製品だからこその、ゆがみ的なもの、木だからこそのくせのようなものが、電子ピアノでは習得することができません。弦をたたくのではなくて、スイッチを押すのが電子ピアノですから、残念ながら電子ピアノが、生ピアノの表現力を手に入れるには、構造的な改革をしない限り無理と考えられます。が、それをやるとすれば大きな研究開発費用が発生しますから、ピアノの需要状況を考えても、実現は難しく、できても値段が高価で事業として成り立つようなものではない気がします。

なら、生ピアノの方がいい(安い)というわけです。キーボードから電子ピアノへの移行を考えているのであれば、ピアノは絶対に趣味でしかやらないという判断をしない限りは、やめるべきです。

アップライトピアノの限界

アップライトピアノは、自動車であれば軽自動車という表現がなされているのを見たことがありますが、これはかなり的確な表現だと思います。普段の練習であれば、軽自動車でもいいのですが、大勢を乗せるのであれば、大型バスというわけです。アップライトピアノが軽自動車ならば、大型バスは、フルコンと呼ばれる、1台2000万円超のグランドピアノというわけです。

では、軽自動車でピアノの練習はできないのか?というと、これはできるといっていいと私は思っています。音大を目指すとか、演奏家を目指すなら、早めにグランドピアノというのは、確かに理解できます。しかし、それを車の世界に当てはめるなら、庭にサーキット場をつくって、最初からF1マシンで練習をするような感じでしょうか。

プロのレーサーもカートからスタートするわけですから、ピアノの練習であっても、アップライトピアノでも可能だと思います。

しかし、アップライトにも限界があります。どこにでてくるかというと、まずは、トリルにでてきます。鍵盤を押した(叩いた)後の戻りのスピードが、重力を利用しているために構造上シーソーのようなグランドピアノの方が早いというわけなんですね。

トリルを多用し始めるのはソナチネくらいからですから、それまでにはグランドという考え方もありますが、かといって、高速なものでなければ、アップライトピアノでもカバーができます。しかし、メトロノームのテンポを上げて高速なトリルを美しく奏でるということを、意識したあたりから、アップライトピアノの限界が見え始めます。

息子の場合も、今のところはトリルでの限界は見えていないのですが、気になることがありました。ピアノを打鍵した後の、指を戻す「癖」に関する懸念です。

白鍵や黒鍵を引いた後に、指を上に戻す力の加減の感覚的なものが、アップライトとグランドピアノの練習で違ってくるのではないか。おそらくかなり微妙な加減ではあるが。

アップライトよりもグランドピアノの方が、指を上げてくれる力が強いとなると、弾いた後に自動的に指が戻ってくれる感覚をグランドピアノでは持つのではないか。

アップライトだと、

音を出す – 指を上げて – 次の音を出す – 指を上げて – 次の音を出す

グランドピアノだと、

音を出す –  (そのまま) –  次の音を出す –   (そのまま) – 次の音を出す

上記のような癖が、残ってしまうのではないかという、疑いが今あります。

とはいえ、昔はポケベルを使ってた人が、ガラケーをもって、スマホへ移行とすんなりいけてるように、昔はアップライトだった人も、すんなりグランドに移行できるような気もするので、これがグランドから練習しないといけない決定的な理由にはなるとは思いませんが、常に評価はグランドピアノを弾いている時に行われるので、その評価がマイナス的な印象につながってモチベーションの低下に影響してしまうことがあるのであれば、最初からグランドピアノということになる気がします。

グランドにしなければいけないと感じているところは、今のところこれだけなのですが、他にもあるはずなので、気づいたところで、このブログで書いていこうと思っています。

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