冬のクリスマスシーズンといえば、チキンやローストビーフ、ケーキや寿司が、メジャーなシーズンですが、その裏で、美食家が愛している日本料理の高級食材「天然ふぐ」の旬がやってきています。日本人で、ふぐを食べたことがあるという人は、いたとしても、毎年というよりは、誰かに誘われて1回とか、ほとんど食べたことが無いという人の方が多いくらい、実はマイナーな食材でもあります。
ではなぜ、冬にわざわざ高いお金を出してまで、ふぐを食べるのかというところについて、今回は考えてみたいと思います。
冬がトラフグの旬だから?

ふぐの旬は、一般的に「秋の彼岸から春の彼岸まで」と言われています。特に冬が最も旬で、11月から2月頃が最も美味しいとされています。
秋の彼岸
毎年9月20日頃です。秋分の日を中日として前後3日間を合わせた7日間で、故人やご先祖様を供養する日です
春の彼岸
毎年3月20日頃です。春分の日を中心とした前後3日間の合計7日間で、ご先祖様や故人を供養する期間です
しかし、魚全般に言えますが、産卵期の前後に栄養を蓄えるという性質があり、脂がのって旨いという視点で考えると、ふぐの産卵期である、春から初夏が旬といえると思います。
特に白子などは、冬というよりも春から初夏が良いということになるのではないでしょうか?
冬がトラフグの旬だから説はちょっと違いそうです。
調理方法が鍋だから

とらふぐは実は産卵シーズンが春から初夏ととなると、冬にふぐが旬と言われる理由は、調理法が、ふぐ鍋やひれ酒など、体を温める料理であることなどが関係して旬とされているということになると思います。
夏に鍋を食べるのは無理がありますし、あったかいお酒もわざわざ夏に飲みたい人はいませんよね。
てっさ(刺身)を考えると、冬である必要もなくなりますので、ふぐをどのように食べたいかで、旬は違ってくるとも言えそうです。

冬が鍋やヒレ酒のシーズンだからという説が正解なきがします。
ふぐが高い理由は?

天然のトラフグの値段は1キログラム当たり3000円から5000円とされています。トラフグは、加工前で、1匹当たり1キロから2キログラム程度となりますので、そもそもの材料費が高いのです。
商売ですから、原価を考えての値付けとなってきますので、3000円の材料費であれば、必然的に1万円以上にしないと、採算がとれないとなってくるとも言えます。
また、ふぐは、人が死んでしまうほどの猛毒「テトロドトキシン」がある食材でもあります、安全にフグを食べるためには、ふぐ調理師としての資格を取得した調理人による細心の注意を払っての調理が必要となります。
材料費と調理人の人件費を考えても、ふぐは安くは提供できない食材と言えます。
また、酒屋など、インテリアコストを抑えたお店であれば、費用に場所代はあまり乗ってきませんが、料亭やホテルとなると、維持管理費もばかになりませんから、当然のように価格にそれが上乗せしてきます。
人をおもてなしする為の料理であるから

フグ料理は、日本の食文化として長い歴史を持ち、美食体験として特別なものとして扱われます。
仕事での接待はもちろん、人生のイベントでの宴席など、特別な料理として、料亭やホテルなどで、扱われていることが多いです。
ふぐを食べるということは、単なる食事にとどまらず、四季を愉しんでいる大人のたしなみともいえます。

フグの味ってどんなものなの!?

ふぐの味と聞かれると、これはなんとも答えられないというのが、正解ではないでしょうか。
ふぐは淡白な白身のお魚です。味を問われても、鯛やアジのように、強い味が魚自体にあるわけでもなく、脂も強くありません。
むしろ、ポン酢やもみじおろし、そしてネギと食べたり、煮凝りの醤油ベースとなり、ふぐ自体の味というよりは、うすづくり(てっさ)などは、こりこりとした食感を愉しむものと言えると思います。
ふぐを食べるということは、日本の鍋文化として、ふぐを食べる時間を、また空間を愉しむというのが、正解な気がします。
まとめ

冬にふぐを高い金を出してまで食べる理由について考えれば、それは日本の文化であり、鍋という冬に美味しい調理法が、その理由であることは見えてきました。
とはいえ、高級なふぐ。誰かと一緒に食べるとしても、それは特別な体験ともいえますし、大事な関係だからこそ、ふぐを食べる関係になっているとも言えます。
冬に、大事な誰かと、楽しい食事をしようと思ったら、ふぐというのは、感謝をあわらしたり、親睦を深めるためだったり、とても大切な会の料理として選べれていると言えるでしょう!
