点滴法で生体を入れてますか?
近所のホームセンターでメダカを買った、通信販売でエビを買った、熱帯魚を買った、いずれにしても、購入した生体がいて、これからアクアリウム水槽に生体を投入しようというタイミングの今、やるべきこと=点滴法をやってから水槽に移してますでしょうか?
温度合わせ・水合わせという言葉は、アクアリウムであれば当然のようにやるべきことなので、温度合わせ・水合わせをする方法を詳細に書いてみたいと思います。
- なぜ、温度合わせ・水合わせが必要なのか?
- 点滴法とは?
- やらないとどうなるのか?
- 点滴法のやり方やコツ
- 点滴法に必要な道具
- それでも死んでしまったら・・・
なぜ、温度合わせ・水合わせが必要なのか?
これからハワイにいこうというとき私達は、どんなことをしますか?
パスポートをとりに行く?ホテルを予約する?
いえ・・・そういう話ではなくて、生き物としてやることは、暑さ対策ですよね。ハワイの気候にあった洋服を準備して、海に入るなら、海に入るための準備をします。
逆に、寒い国に行くことになったら、今度は寒さ対策ですよね?
これと同じことが、生体にとっては、温度合わせ・水合わせです。
わかりました?
じゃあ、お洋服を着せたらいいんだ!?、いやそんなはなしではないですよ。。
温度変化は、洋服の準備でしたが、水合わせは、私達が山の山頂などの気圧の変化があるところに行くことを想像してください。
高い山に登ると、高山病で死ぬ人がでますよね?これが水合わせが必要な理由です。
気圧の変化は少し大げさな表現ですが、ホームセンターの飼育水から、自宅の飼育水への移動は、生体にとっては、生死にかかわるくらい大変な移動だと知ってもらうために書いてみました。
だからこそ、温度合わせ・水合わせが必要になります。理由が、わかりましたでしょうか。
点滴法とは?
水合わせを長時間かけて行う生体の引っ越し準備作業です。
具体的には、これから入れようとするアクアリウム水槽の飼育水を、ぽたっ、ぽたっと、点滴のように、数滴ずつ、これから入れようとしている生体の水の中に入れていき、飼育水に慣れさせる方法を、点滴法といいます。
長時間かけて、おこなうことになるので、ヒーターを使っていない水槽の場合は、温度合わせは点滴法で飼育水を送っている間に自然と行われます。
温度合わせ・水合わせをやらないとどうなるか?
不慣れな水で、疲れてしまうだけではなく、徐々に弱って死んでしまうこともあります。
丈夫な魚であれば、水合わせをしなくても問題ない場合もありますが、弱っている魚の場合は、やらないことで、死んでしまう可能性が高まります。
点滴法に必要な道具
- チューブ
- コック(調整弁)
- 生体を入れるバケツ等
点滴法のやり方やコツ
点滴法は、やり方さえわかれば、大変なことは何もありません。まずは、これから水槽に移す生体を水槽の下に用意します。
そこに水槽の水を入れていきます。
次の写真を見てください。
写真のようにこれから生体を入れようとする水槽にチューブを入れます。チューブの端を開放することで、水がチューブに入っていきます。
ほどよいところでチューブの端をふさぎ、水がたまったことを確認します。
その後、チューブを水槽より引っ張り、含まれている水が、水槽に入ったままのチューブの端よりも下に水がくると、水の自由落下により、水がながれる状態になります。
水槽のなかのチューブの端よりも、チューブに入っている水が下のラインにくると、水の重さで、自然と水が流れ出します。ここら辺は物理法則です。
このままでは、かなり大量の水が入ってしまうので、流量を調整するために、調整弁を使用します。点滴のように、少量のみずがゆっくりと流れ落ちるように調整します。
調整弁の代わりに、洗濯ばさみなどでも代用も可能ですが、あまりうまくいきませんし、失敗すると生死にかかわるので、調整弁を利用するのがよいでしょう。
また、調整弁はエアーポンプの空気の量を調整したり、アクアリウムにおいては使う場面が多い道具だと思いますので、購入して損はないと思います。
今回は、点滴法で約3時間かけて水合わせを行いました。ネオンテトラは比較的丈夫な魚なので、すこし乱暴におこなっています。
デリケートな熱帯魚であれば、水温をはかりながら、時にはぬるめのお湯を用意して、ていねいにやるべきところです。
それでも死んでしまったら・・・
丁寧に水合わせをしても、死んでしまう個体はいます。飼育水があわなかったかもしれませんし、そもそも弱っていたのかもしれません。
答えを聞くことはできませんが、生き物を扱っている以上しかたないところがあります。
次は、失敗しないように努力を続けましょう。